不眠症に対する鍼灸施術の実際 袖ケ浦市の訪問鍼灸マッサージ 伊藤リハビリセンター
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袖ケ浦市の訪問鍼灸マッサージ 伊藤リハビリセンターです。
当院では難病や病気の後遺症により自力通院が難しい方を対象に在宅にてリハビリマッサージや鍼灸施術を行なっています。
「寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「眠りが浅くて疲れが取れない」——こうした不眠の悩みは、年齢を問わず多くの方が抱えています。病院で相談しても、睡眠薬以外の方法にはあまり触れられないことも多く、自然な形で改善したいと鍼灸院を訪れる方も増えています。
今回は、不眠症に対する鍼灸施術がどのように行われるのか、その実際について分かりやすく解説します。
1.鍼灸で考える“不眠”の捉え方
東洋医学では、不眠症は単に「眠れない」という症状だけでなく、体のバランスが崩れた結果として捉えます。
代表的には次の3つのタイプがあります。
- 気血不足タイプ
疲れやすい・動悸・息切れ・顔色や唇が白っぽい
→ 体力やエネルギー不足で眠りを維持できない状態。
- 肝気鬱結タイプ(ストレスタイプ)
イライラ・胸のつかえ・ため息・緊張が抜けない
→ ストレスで自律神経が乱れ、寝つきが悪くなる。
- 胃腸の不調タイプ
食べすぎ・胃もたれ・夕食が遅い・飲酒が多い
→ 消化器の負担で「気」が上に上がり、眠りを邪魔する。
鍼灸では、このタイプ分けを基に施術方針を決めていきます。
2.不眠症に対する主な鍼灸ポイント
- 百会(ひゃくえ)
頭のてっぺん。自律神経を整える代表的なツボ。
緊張をゆるめ、心を落ち着ける効果が期待できます。
- 安眠(あんみん)
耳の後ろ。東洋医学で“不眠の特効穴”と呼ばれることもある部位。
寝つきを良くしたい方に。
- 神門(しんもん)
手首の横。自律神経のバランスを整え、イライラを鎮める。
- 三陰交(さんいんこう)
内くるぶしの上。ホルモンバランスや血流改善に関わり、不眠全般に有効。
- 胃腸系のツボ(足三里・中脘など)
食生活が原因の不眠に適応する。
※患者さんの体質や症状に合わせて、背中や腹部の経絡も組み合わせます。
3.実際の施術の流れ
① カウンセリング
・眠れない時間帯(寝つき?中途覚醒?)
・生活習慣(食事・飲酒・スマホ時間)
・ストレス状況
・体質(冷え・肩こり・胃腸の強さ)
まずは“不眠の原因”をはっきりさせることが最重要です。
② 脈・舌・お腹の状態チェック
東洋医学的に、体のバランスや気血の状態を丁寧に確認。
③ 鍼灸施術
・数か所のツボに軽い刺激
・必要に応じてお灸や温熱療法を追加
・深いリラックス状態に導くことを大切に
施術中に寝落ちする方も珍しくありません。
④ 生活アドバイス
・寝る前のスマホ制限
・夕食時間の見直し
・軽いストレッチや呼吸法
鍼灸+生活習慣の改善で、睡眠の質が大きく変わります。
4.どのくらい通えば改善する?
不眠は原因が複雑なことが多く、一度で劇的に改善するケースは少ないですが、
多くの方が3~5回ほどで「寝つきが良くなった」などの変化を実感します。
慢性的な不眠では、週1回の通院を1〜2ヶ月ほど続けると、睡眠リズムが安定してきます。
5.鍼灸が不眠に向いている理由
- 自律神経の調整が得意
- 副作用が少ない
- 睡眠薬と併用できる
- ストレス・冷え・肩こり・胃腸の不調など
“不眠の元”からケアできる
薬に頼らず自然に眠りたい、という方にとって強力な選択肢となります。
まとめ
不眠症の改善には、「眠れない」という症状だけでなく、
その背景にある ストレス・胃腸の負担・冷え・自律神経の乱れ を整えることが大切です。
鍼灸は、体質そのものを整えながら自然な眠りへ導く効果があり、
睡眠の質を高めたい方にとって非常に相性の良い施術といえます。
睡眠が変わると、日中の集中力や気力、心の安定感が大きく違ってきます。
慢性的な不眠で悩んでいる方は、一度鍼灸を試してみてはいかがでしょうか。

