認知症の方に対するマッサージの注意点と工夫 袖ケ浦市、木更津市の訪問鍼灸マッサージ 伊藤リハビリセンター
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袖ケ浦市、木更津市の訪問鍼灸マッサージ 伊藤リハビリセンター(イトー鍼灸院)です。
当院では難病や病気の後遺症により自力通院が難しい方を対象に在宅にてリハビリマッサージや鍼灸施術を行なっています。
高齢化が進む現代、認知症を抱える方へのケアはますます重要になっています。マッサージは身体の緊張を和らげ、安心感をもたらすケアの一つとして有効ですが、認知症の方に対しては、通常の施術以上に「配慮」と「工夫」が必要です。
今回は、認知症の方にマッサージを行う際の注意点と、より良い関わり方の工夫をご紹介します。
■ 注意点1:急な接触は避ける
認知症の方は、見知らぬ人や突然の接触に対して不安や恐怖を感じることがあります。施術前には、必ず「名乗る」「目的を伝える」「同意を得る」というステップを大切にしましょう。
例)
「こんにちは、○○と申します。今日は体を楽にするマッサージをさせていただきますね。」
■ 注意点2:声かけとアイコンタクトを忘れずに
マッサージ中も、何をしているかを逐一説明することで安心感につながります。
例)
「今から肩に少し手を当てますね。」
「ここは少し冷えてますね、少し温めるようにしますよ。」
■ 注意点3:体調・感覚の変化に敏感になる
認知症の方は「痛い」「熱い」「気持ち悪い」などの感覚をうまく表現できないことがあります。皮膚の赤みや表情の変化、体のこわばりなどをよく観察し、無理のない範囲で施術を行いましょう。
■ 工夫1:なじみの環境・時間で施術する
いつも同じ時間、同じ場所で施術することで、混乱を避け、安心感を高めることができます。可能であれば、介護者やご家族にも同席してもらうと、リラックスしやすくなります。
■ 工夫2:触れられて心地よい部位から始める
頭や首、肩など、触れられて不快感の少ない部位からスタートすることで、施術への警戒心を和らげることができます。手や足先なども比較的安心して受け入れられる箇所です。
■ 工夫3:五感を意識したケア
静かな音楽、心地よい香り(ラベンダーなど)、温かい手など、「五感」に訴える工夫は、認知症の方にも効果的です。マッサージは“皮膚感覚のコミュニケーション”とも言われ、穏やかな気持ちを引き出すことができます。
認知症の方へのマッサージは、単に筋肉をほぐすだけでなく、「心のケア」としての側面が非常に大きいものです。大切なのは、その方の“今”を尊重し、安心と信頼を築く姿勢です。
ひとりひとりの状態に合わせたやさしい手技で、心も体もほぐれる時間を届けていきたいですね。